温度、湿度共に高くなる夏場は、特に食中毒に対する注意が必要です。
今回は、夏場の食中毒の特徴について、お伝えしたいと思います。
食中毒の原因として、細菌、ウィルス(ノルウィルスなど)、
化学物質(農薬、食品添加物)、自然毒(キノコ、ジャガイモの芽、フグなど)
などがあげられますが、初夏から秋口にかけては
細菌が原因の食中毒が多発しています。
これは、食中毒を起こす細菌が高温多湿の環境を好み
夏場に活発に繁殖を繰り返すためです。
食中毒を起こす細菌には、さまざま種類があります。
最近は、生産や流通での衛生管理が厳しくなっているので
「買ってきた食品は安全だ」と考えがちですが
こうした細菌は、私たちが購入した食品(主に生鮮食品)の
初めからついています。
例えば、肉類には「カンピロバクター」や「腸管出血性大腸菌O-157」、
魚介類には「腸炎ビブリオ」(夏に特に多い)、
生卵には「サルモネラ」、野菜には「ウエルシュ菌」、
おにぎりやお弁当には「黄色ブドウ球菌」などがついているのです。
“細菌はついているもの”という認識をもって食品を
取り扱うことが大切です。
食中毒は、病原体が飲食物とともに人体に取り込まれて発症するものと
病原体が食品中で産生した毒素が飲食物とともに、取り込まれて発症するものに
大別されます。
前者を感染型食中毒、後者を毒素型食中毒(例として、黄色ブドウ球菌食中毒、
ボツリヌス菌食中毒、嘔吐型セレウス菌食中毒)といいます。
感染型食中毒はさらに、病原体が腸管組織へ侵入して発症するもの(例として、
サルモネラ属菌食中毒)と、腸管内で毒素を産生し、その毒素が原因で
発症するもの(例として、腸管出血性大腸菌食中毒)に分かれます。
次回、症状と予防について、お伝えします。
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