いまさら聞けない?ワクチンって?
- info070711
- 4月10日
- 読了時間: 2分
ワクチンは感染症を予防するための最も確実な手段ですが
私たちの体内でどのように働くかご存知ですか?
名前は誰でも知っているけど、中身がよく判らない、そんなワクチンについて
解説したいと思います。
感染症は、病原体(病気を引き起こす細菌やウィルスなどの微生物)が
体内に侵入し、増殖することで、発症する病気です。
我々は普段細菌やウィルスといった微生物に囲まれて暮らしています。
どんなに清潔好きな方であっても、皮膚や消化器の中には
無数ともいえる数の微生物が棲んでおり、ヒトと共存しています。
これらのほとんどは無害で、一部はビタミンの合成などを通じて心身の健康を
助けてくれています。
その一方で、体内に侵入して繁殖すると健康に様々な有害症状を
起こす微生物もあり、これらは一括して病原体と呼ばれ
インフルエンザやはしか、手足口病といった種々の感染症を引き起こします。
つまり、感染症は、高血圧や痛風とは異なり、我々自身の体以外に
発生原因がある外因性の疾患です。
我々の体内には、病原体を見つけ出して処理する働き、免疫系が備わっています。
風邪をひいて熱がでると、解熱薬を服用しますが、これによって
症状が軽減しても、風邪からの回復を早める働きはありません。
免疫系が風邪の原因となっている病原体を発見・排除し
傷ついた個所を生まれながらに備わった自然治癒力が修復することで
風邪から回復します。
免疫の異物排除の働きには、大きく分けて二つの段階があります。
普段から広く浅く病原体を監視しているのが、「自然免疫」と呼ばれる
防御機構で、侵入した異物を迅速に認識し、それを排除することで、病原体の
増殖が抑えられます。
自然免疫は、いわば、繁華街をパトロールする警察官のような役割を
担っており、挙動が怪しい、刃物を持っているといった特徴から犯罪を
起こしそうな病原体を見分けています。
自然免疫だけでは、対処しきれなかった病原体が体内で増殖し始めると
「獲得免疫」が活性化します。
獲得免疫は、特定の病原体に強力に対応する、機動隊のような働きがあり
凶悪犯(病原体)の指名手配書を用意したうえで活躍する特徴があります。
なお、免疫系は病原体以外にも、アレルギーの原因物質やがん細胞などを
処理する働きも担っています。
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