二日間にわたり、DHAについて、お伝えしました。
青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(イコサペンタエン酸)が
動脈硬化や脂質異常症、認知症の予防などに役立つことは
広く知られていますが、このDHAやEPAの働きは
これだけには、留まりません。
実は、感染症に対する働きもあるので、ご紹介したいと思います。
感染症の原因となる細菌やウィルスは、主に口や鼻などから
体内に侵入します。
口や鼻を巡っていくと、胃や腸にたどり着きます。
このため、腸までの消化管は、常に外敵の脅威にさらされています。
よって、これらの外敵から身を守るために、腸には免疫細胞の
7割が集まっていると言われています。
ヒトの腸内では、いわゆる善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割の
割合で、バランスが維持されており、善玉菌が悪玉菌よりも
優勢になっています。
しかし、悪玉菌が増えて、バランスが崩れると、免疫力の低下をはじめ
様々な健康被害が起こってしまいます。
このような理由から、善玉菌を増やすことが、免疫機能の維持に役立ちます。
善玉菌を増やす食べ物としては、ヨーグルトなどの乳製品や
発酵食品、食物繊維などが有名ですが、DHAや、EPAといった
青魚に多く含まれる脂肪酸の摂取でも、増えることが、報告されています。
DHAやEPAは、体内で作ることができないので、食事などから
摂取する必要があり、必須脂肪酸と呼ばれています。
必須脂肪酸には、種類が存在し、n-3系脂肪酸と、n-6系脂肪酸に
分類することができます。
DHAやEPAは、n-3系脂肪酸に分類されます。
このn-3系脂肪酸は、腸内細菌に分解されることで
腸管のバリア機能を強化する物質に変化することが報告されています。
これらのことから、DHAやEPAなどの脂肪酸は、腸内細菌との
関わりによって、免疫機能が正常に働く環境を整え、
感染症の予防に寄与している可能性があります。
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