音が聞こえにくい、言葉が聞き取りにくい、
あるいは全く聞こえない症状を難聴といいます。
よく知られている難聴として、加齢とともに症状が進行する
加齢性難聴がありますが、今回は大音量に晒されることによって
発症する音響性難聴、その中でも近年増加している
イヤホン難聴について、ご紹介させて頂きます。
電車の中で、イヤホンやヘッドホンで音楽を聴いている人を
見かけることは、ありますよね。
もし、イヤホンを使用して長時間音楽を聴く習慣がある場合
イヤホン難聴が進行してしまう可能性があります。
イヤホン難聴は、大きな音を長時間聴き続けることで
難聴になる音響性難聴の一種で、耳閉感や耳鳴りを伴うこともあります。
この難聴は少しずつ進行していくために、自覚しにくく
失われた聴覚は、戻りません。
症状が進行する前に対策する必要があります。
音は外耳道(耳の穴から鼓膜まで続く管状の器官)を経由して鼓膜を振動させ
耳小骨(鼓膜の奥にある小さな3つの骨)が、その振動エネルギーを伝え
その先の蝸牛(カタツムリの殻状の器官)の内部にある
有毛細胞に伝わります。
蝸牛に音の振動が伝わると、有毛細胞が揺れて興奮し、音を電気信号へと変換します。
これが、聴神経を経て脳に到達すると、音が聞こえます。
しかし、大きな音量で音楽を聴き続けると、有毛細胞が傷つき、壊れていきます。
正常に働く有毛細胞の減少とともに、音を感じにくくなり
難聴を引き起こします。
音響性難聴は、急性期であれば、耳を休ませた上で、点滴のステロイド剤や
血管拡張薬、ビタミンB12製剤などの薬物療法で改善することがありますが
日常的なイヤホン使用などによる慢性期の場合、壊れてしまった
有毛細胞は元に戻らず、治療は困難とされています。
明日に続きます。
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