細菌が筋肉にとりついて、数日のうちに命が奪われる
「人食いバクテリア」の患者数が急激に増えています。
昨年は、患者報告数は941人と過去最多となりました。
その年齢層は、50から60代がピークです。
発症には、免疫力の低下が最大の原因です。
日頃より、ストレスや疲労を蓄積させず免疫力を
維持させておくことが大切です。
改めまして
「人食いバクテリア」とは、劇症型溶血性連鎖球菌による感染症です。
主にA型溶血性連鎖球菌によって引き起こされます。
この感染症は、突発的に発症して、急激に多臓器不全に陥って
敗血症(細菌などの病原微生物に感染し、体がその微生物に対抗することで
起こるさまざまな状態のことで、全身性炎症反応症候群とも)ショックによって、
重篤な症状を発症することによりセンセーショナルな病名がつけられました。
その症状は、四肢の疼痛から始まって
数十時間に手足の壊死、それに伴ってのショック、
多臓器不全を併発することによって、死に至らせしめることになります。
死亡率は、30%とされていて、各種、細菌感染症のなかでも
最も高率です。
国立感染症研究所によると、通常のA型連鎖球菌の毒素を産生している
遺伝子が変異を起こして、毒素産生量を高めたとされています。
劇症型溶血性連鎖球菌感染症は、1987年に
アメリカで最初に報告されて、それに続いて、アジアやヨーロッパでも
報告されるようになりました。
我が国での典型的な症状は、1992年に報告されました。
一般的に連鎖球菌は、人の鼻や、口などの粘膜から感染して
咽頭炎や皮膚の感染で、済むものが多いのですが、このA型溶血性連鎖球菌は
劇症化しやすい性質があり、菌が粘膜や傷口から侵入すると、急激に
手足の筋肉が壊死して、錯乱状態となって、多臓器不全による
ショック状態を引き起こして、死に至っています。
経口感染は、海産魚介類に付着して、刺身や加熱不足の料理を食べて
感染する場合と、皮膚に傷のある人が、河口近くの海に入って
傷口から感染する場合があります。
予防等、次回に続きます。
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