立ったり歩いたり姿勢を維持したりする日常動作の基盤となる
筋肉は、生活の質に強い影響を与えますが、若年層の方にとっては
筋力不足によって日常生活に支障がでることはほとんどなく
実感することはほとんどありません。
しかし、30代以降は、徐々に筋肉量は減少していき、
気づいた時には深刻な筋肉不足に陥ります。
例えば、立ち上がる動作で、主要な働きをする
大腿四頭筋(太ももの全面に位置する筋肉)の80代における
平均筋肉量は、30代の約半分程度であるという報告があります。
この報告から考えると、30代の時に片足で立ち上がる筋力がなければ
80代になったときに両足を使って立ち上がることが困難になる
可能性が高いということになります。
無重力の宇宙空間では、1~2週間で、大腿四頭筋が15%減少したとの
報告もあり、筋肉の刺激がない環境では、筋肉量の減少が急速に進んで
しまうことが分かっています。
これは、筋肉が身体の中で、エネルギー消費量が大きい組織であることが
理由の一つとして、考えられています。
人類の場合、筋肉に加えて、発達した脳も抱えていることから
筋肉に刺激が入らない状態では、速やかに筋肉を減らしてエネルギーの
消費を抑える仕組みが発達したと考えられます。
Comments